老人ホームでは、日々どこかの施設で事故が起きています。
もちろん老人ホームの職員や運営会社はそういった事故への対策をしていますが、どうしてもすべての事故を防ぎきることはできません。
老人ホームで発生する様々な事故について解説します。
■転倒・転落によるケガ
高齢になってくるとどうしても運動機能が衰えてしまい、歩いているときに転んでしまったり、お風呂に入るときに滑ってしまったり、ベッドから落ちてしまったりといった事故が多発します。
老人ホーム職員が傍にいればとっさに支えたり、落ちないようにすることもできるかもしれませんが、一人でいるときに起きることも少なくありません。
また、転倒した際に骨折をしてしまうこともあり、ケガを治すために安静にして、さらに運動能力が衰えるなどあまり良くない循環に陥ることもあるでしょう。
日頃から老人ホーム内でも軽く運動して身体能力を保つことが大切です。
■誤嚥・誤飲による窒息
ものを飲み込む力が衰え、食べたものを喉に詰まらせたり、飲んだものが気管や肺などの方へ入って息が苦しくなったりすることもあります。
老人ホームではそういったことを防ぐために、食事を細かく刻んだり、とろみをつけて飲み込みやすくしたり、食材をミキサーで混ぜて飲むだけにしたりするのです。
老人ホーム職員ができるだけ食事の際には傍にいて、ちゃんと食事を飲みこめるか見守ることがほとんどですが、突然喉に詰まることの方が多いので、やはり気を抜くことができない時間でもあります。
■入浴時は非常に多くの危険がある
入浴は体がさっぱりしたり、温まって気持ちが良かったり、また衛生面でも非常に良いものです。
しかし、入浴は高齢者にとって様々な危険性が潜んでおり、老人ホーム職員でも細心の注意を配らなければなりません。
例えば、浴室や浴槽は湿気などで滑りやすく、転倒しやすい場所です。
下がタイルなどで硬いことも多く、転倒すればケガする可能性が非常に高くなっています。
他にも気温とお風呂の温度差により、血圧が急激に変動してヒートショック現象がおきて、脳梗塞や心筋梗塞などの症状が現れることもあるでしょう。
お風呂の設備などによる事故もあり得るので、日々の点検や確認が大切です。
他にもお薬の取り違えや、入居者同士のトラブルが殺傷事件に発展した事案など、老人ホームでの事故は様々なものがあります。
大切なのは、それらの原因を見極め、再発の防止に取り組みできる限り事故を起こさないようにしていくことです。