高齢者は成人に比べて免疫力や抵抗力が弱く、感覚も鈍り自覚症状を感じにくいこともあり発見が遅れ、命を落としやすいと言われています。
老人ホームは集団生活になることから感染症対策や対処に徹底していますが、具体的にどんな対策をしているのか気になる方もいらっしゃるでしょう。
それでは、老人ホームの感染症対策についてご紹介します。
■老人ホームが行っている感染症対策について
老人ホームでは具体的にどう対策しているのか、多くの施設で取り入れられている対策をご紹介します。
・手洗いうがい
感染症を持ち込まない、拡大させないことを目的に、職員や入居者をはじめ、面会に来られた方や業者など老人ホームを出入りする人全てに手洗いやうがいを徹底しています。
・嘔吐物や排泄物の処理
感染を拡大する恐れのある嘔吐物や排泄物を処理する時は、使い捨ての手袋やビニールエプロン、マスク、ペーパータオルなど直接触れず処分できる装備で処理を行います。
これらの道具はすぐに使えるように置き場も工夫している施設が多いです。
・入居者や職員の健康状態の観察
入居者の健康状態がないか常にチェックし、発熱等があればすぐに対応できる連絡体制にしています。
職員から感染する可能性もあるので、職員本人や一緒に暮らす家族が風邪などにかかった場合、体温チェックやマスクの装備なども徹底しています。
食品を取り扱う職員の健康状態が悪い場合は、調理に関与しないようにしています。
・温度管理
ウイルスの好む湿度にならないように、加湿器などを用いて湿度40%時用をキープしています。
・ワクチン接種や消毒
感染症になりやすい時期に合わせてワクチン予防接種が入居者・職員を対象に行われます。
また、手すりやドアノブなど、触れやすい施設の設備の消毒を徹底しています。
■入居者に感染症の疑いがある場合の対応
老人ホームの入居者に発熱や嘔吐などの感染症の疑いがある場合、次のような順で対処が行われています。
・施設長へ報告
・提携している協力医に施設長から診察や医療処置の依頼
・施設長は職員に対して、適切なケアや消毒、衛生管理を指示
・感染症と判明したら市町村と保健所へ連絡
一般的にこのような流れとなっています。
老人ホームによって対応に少し違いがありますが、看護を居室で行うケースもあれば、介護室へ隔離して看護するケースも少なくないです。
国では老人ホームでの感染症被害を最小限にとどめるため、対策マニュアルを作成しています。
老人ホームはそのマニュアルに基づき、また定期的に講習会や研修で感染症に理解を持ち、正しい対策を行っているのです。
老人ホームによって対策に異なる点もあるので、気になる方は確認しておきましょう。