高齢化社会が進む中で介護の需要が高まっていく一方、介護する側である人々が不足していることもまた事実です。
そんな中で今、老人ホームでの介護ロボットの存在に注目が集まっています。
ロボットを老人ホームに導入することによってどのような効果が期待できるのか見ていきましょう。
■介護ロボットの特徴とメリット
まず一つの大きな要因として、介護者への肉体的な負担を減らせるという面が挙げられます。
介護者であれば、お風呂やトイレに移動する際の対応において相応の体力が求められますが、介護者がロボットを装着あるいはその装置を操作して機械の力の補助を受けることで、より介護支援の質が高められることが期待されます。
次のパターンとして介護される側の補助をするものもあります。
これを導入することにより、利用者の歩く・食べるなどの日常の運動動作を補助することができ、自立した生活を目指せるようになると期待されているものです。
もう一つ、コミュニケーションのサポートをするタイプのロボットも存在します。
対話や音楽などを介して利用者の精神面のサポートをすることを目的としたものです。
また、ロボットのセンサーなどで状況を察知し要介護者の情報を得てサポートする見守り支援型のロボットも存在します。
このロボットを利用すれば介護者が毎回見回りに行かなくて済みますし、利用者の方のプライバシーも極力守ることができます。
このようにロボットの力に頼ることで、老人ホームでも介護する側、される側双方にプラスの影響が出ると考えられます。
■老人ホームへの導入における課題
最も大きな問題はやはり費用が高額になることでしょう。
まだまだ高価格で販売されているため、老人ホーム内に複数用意するとなると購入費用だけでもかなりの金額になってしまうことが予想されます。
さらにその操作を教えて老人ホーム職員全員に身に付けさせるための研修時間が必要になってくるでしょう。
また、現在は比較的大型の装置が主流ですので、老人ホーム内における保管場所についても考えなければなりません。
最後に重要なこととしては介護ロボットの安全性についてです。
機械に体を預けることは心配、介護は人の手で行うべきだと主張する方々はやはり一定数存在するようです。
それに対する不安をどう取り除くのかも課題と言えるでしょう。
高齢化が進む中で、これからも介護の需要は増加していくと思われます。
一刻も早く、安価で様々な性能を持った介護ロボットが開発され、多くの老人ホームに普及して介護者・要介護者ともに快適な生活が送れるようになることが望まれます。