借金があっても介護施設の費用は減額されません ~「公的施設なら助けてくれる」は大きな誤解~

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■ はじめに:最近増えている“借金と施設費用”の相談

最近のご相談で増えているのが、

「借金があるので月8万円しか出せません」

「ローンの返済があるので特養や老健に入りたい」

といったケースです。

気持ちはよく分かります。
介護施設の費用は決して安くはなく、家計への負担も大きいものです。
そのため「安く入れる施設に行きたい」「公的施設なら何とかしてくれる」と考えるのは自然なことです。

しかし、実際にはこの考え方には大きな誤解があります。
結論から言うと──

借金があっても、介護施設の費用は減額されません。


■ 公的施設の費用は「収入・資産」で決まる

特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老健)、ケアハウスなど、
いわゆる“公的施設”には費用負担を軽減するための制度があります。

代表的なものは以下のとおりです。

  • 介護保険負担限度額認定(介護サービス費の自己負担を軽減)

  • 高額介護サービス費制度(自己負担の上限を設定)

  • 食費・居住費の補足給付(所得に応じた負担軽減)

これらの制度の判断基準は、あくまで「収入」「預貯金」です。
つまり、借金がどれだけあるか、毎月いくら返済しているかは関係ありません。

たとえば、
月20万円の年金収入がある方が10万円の返済をしていても、
「収入20万円」として判断されます。

返済があるので生活が苦しいという状況でも、

制度上は“所得がある人”とみなされるのです。


■ 「借金があるから公的施設に入りたい」は危険な誤解

「借金があるから有料老人ホームは無理。特養や老健に入りたい。」
このようなご相談も多くあります。

しかし、特養や老健などの公的施設には明確な基準があります。

  • 特養は原則「要介護3」以上が対象

  • 軽度の方(要支援・要介護1〜2)は原則入居できない

  • 入居優先順位は「介護の必要性」で判断

借金の有無や返済状況は、入居判定には一切関係しません。

むしろ、「借金を理由に公的施設を希望する方」は慎重に見られることもあります。
制度的にも、個人の経済的事情ではなく介護ニーズで判断する仕組みになっているためです。


■ 公的施設にも“明確な線引き”がある

「公的施設だから助けてくれる」──
そう考えてしまう方は多いですが、実際はそうではありません。

特養や老健は、国や自治体が定めた基準のもとで公平に運営されています。
そのため、
「借金があるから」「生活が苦しいから」という理由では優先されません。

特養や老健は、

「要介護度が高く、自宅生活が困難な方を支援する場所」

であり、経済的事情を救うための場所ではないのです。

これは冷たい対応ではなく、
“公平性を守るための仕組み”です。


■ 「民間の有料老人ホームは高い」は誤解(岡山県の実情)

「民間の有料老人ホームは高いから無理」と言われることも多いですが、
実際には、岡山県内でも費用を抑えた施設は増えています。

岡山県内の相場を見てみると、
住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)では、
平均で 月13万〜16万円前後 が一般的です。

この金額には、

  • 家賃

  • 管理費(共益費)

  • 食費

が含まれています。

介護サービスをどの程度利用するかによって費用は変わりますが、
「特養ほど安くはないが、生活の安心を得られる」価格帯です。

また、医療対応(胃ろう・インスリン・在宅酸素など)が可能な施設では、

平均で 15万〜20万円前後となります。

つまり、「岡山では民間施設はすべて高額」というわけではなく、
探し方次第で“手の届く範囲”の施設は十分に見つかるのです。


■ 借金のある方こそ「早めの相談」を

借金があると「もうどうにもならない」と思いがちですが、
実際には選べる方法がいくつもあります。

  • 返済計画を見直す(金融機関・専門家への相談)

  • 家族で費用分担を話し合う

  • 医療費控除や高額療養費制度など、公的支援を併用する

  • 早めに紹介センターへ相談し、複数施設を比較する

施設選びは「焦るほど選択肢を狭めてしまう」傾向があります。
不安があるときほど、早めの相談が最良の解決策です。


■ 「団信(生命保険)があるから大丈夫」も危険

一部の方は、
「住宅ローンは亡くなれば団信(生命保険)で支払われるから」と安心してしまいます。
確かに団体信用生命保険に加入していれば、残債は免除されます。

しかし、介護が必要になった場合は別です。
ローンの返済が続く間も生活費はかかり、
住宅の維持費・修繕費・固定資産税も発生します。

“家を守る”つもりが、“家に縛られる”結果になることもあります。

特に、単身高齢者や夫婦のみの世帯では、
早めにライフプランを見直すことが大切です。


■ まとめ:「借金がある=費用が減る」は誤解

  • 借金があっても介護施設の費用は減額されません。

  • 公的施設は「収入・資産」で判断され、借金の有無は関係なし。

  • 特養・老健は介護ニーズで判断される。

  • 借金や返済の悩みがある人こそ、早めの相談が重要。


■ 専門相談員からのメッセージ

「借金があるから施設に入れない」と諦める前に、
まずは“現状を整理して選択肢を広げること”が大切です。

岡山市・倉敷市を中心に、
ハピネスプラスでは、
費用・介護度・家族状況を踏まえた最適な施設提案を行っています。

「借金があるから…」ではなく、

「これからどう暮らしていくか」を一緒に考えましょう。

 ご相談はDMまたはホームページからお気軽にどうぞ。

  • 投稿者
  • 明石光司
  • 相談員

岡山を中心に、老人ホームの入居相談をお手伝いしています。
「どんな施設が合うのか分からない」「誰に相談すればいいか迷っている」
そんな時こそ、気軽にご相談ください。

社用携帯電話:080-2933-2750
DMやホームページからもお気軽にどうぞ
https://okayama-roujinhome.jp/
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