老人ホームは一般的に介護を必要とする老人が入居している施設だと考えられていますが、老人ホームには種類があることはご存知ですか?
特別養護老人ホームや養護老人ホームなど、同じように括られることも多いのですが、これらの目的や入居条件などはそれぞれ異なっているのです。
今回は、養護老人ホームについてご紹介していきましょう。
■養護老人ホームとは?
まずは、養護老人ホームとは、経済的に生活が困窮しており自力では暮らせない高齢者のための施設となっています。
例としては、家や住居がない高齢者や年金がない高齢者などが暮らしている施設です。
一般的に捉えられる老人ホームとの違いとしては、介護施設でないという点が大きいでしょう。
主に養護老人ホームでは、生活するための食事や健康管理などの自立支援サービスがありますが、介護サービスは行っていません。
■養護老人ホームの目的は?
養護老人ホームの目的としては、身体的かつ精神的、経済的、環境的に困窮して生活ができない高齢者が自立した生活を送り、社会復帰できるように支援することとしています。
そのため、介護の必要性は関係ありません。
元々養護老人ホームは、戦前の天涯孤独な高齢者を保護する施設として設立されました。
現在では、住居のない高齢者を受け入れるセーフティネットのような役割を担っているため、高齢者の最後の砦とも称されています。
しかし、この最後の砦である養護老人ホームは長期的な利用はできません。
養護老人ホームに入居している高齢者は、いずれ社会復帰をしなくてはならないのです。
■養護老人ホームの入居基準
養護老人ホームは、前述しているとおり、介護のための施設ではありません。
そのため、介護認定が基準とはならないのです。
生活に困窮しているだけでなく、現在おかれている環境下での生活が困難であることも基準となります。
入居基準の具体的な例としては、身寄りがなく独居であることや、無年金であるだけでなく他の収入減もないこと、家族から虐待を受けていること、ホームレスであることなどが挙げられます。
各市町村の自治体によっては、要介護であっても入居可能なケースもあります。
このような状況下におかれた65歳以上の高齢者で、かつ市町村長に認定を受けた人が入所できるのです。
65歳以下でも入居できる例外もあるため、基準に年齢以外が当てはまっている場合などは、居住地の担当窓口へ問い合わせてみてください。
養護老人ホームは、高齢者の社会的な自立を支援する施設です。
他の老人ホームとは少し異なっているため、利用する際には違いをしっかりと理解してから利用を検討しましょう。