老人ホームは、入居者が多くてなかなか入ることができないというイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
実は最近の老人ホームは、空きベッドが増えているそうです。
入居率が高いイメージがある老人ホームでなぜそのような状況になっているのか見ていきましょう。
■稼働率が約96%の特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームというと、介護や医療のケアを年金の範囲内で受けることができるため入居待ちの人が多い老人ホームです。
そんな特別養護老人ホームでは、入居したくてもできない利用者がたくさんいる反面、空きのベッドがあり稼働率は100%ではないという現実があります。
どうしてそのような状況になっているのかというと、介護スタッフが足りていないからなのです。
国の基準で定められている人員を確保できていない場合は、いくら空きのベッドがあっても定員いっぱいの利用者を受け入れることができません。
求人を出しても、人手不足を解消できない介護スタッフを確保するために、施設内に保育所を作るなど様々な工夫を凝らしている老人ホームが非常に多くなっています。
■制度が変わったことで入居できないケースも
老人ホームには空きベッドがあり、受け入れ体制が整っている場合であっても、要介護2以下の人は特別養護老人ホームに入居できなくなってしまいました。
特別養護老人ホームは入居待ちの人数が膨大に増えてしまったため、より要介護度が重い人が優先的に入居できるようにしたというわけです。
入居条件が制限されたことで、独居生活が困難な認知症の方などが一人暮らしをするリスクが高まっていても入居ができません。
もしも、入居条件の制限がなく、老人ホームに空きベッドがあれば入居することができますし、施設の稼働率もアップします。
■過疎化が進んで入居率が低下しているケースも
地域によっては過疎化が進んでいることで、老人ホームに入居したいと考える高齢者が減っているケースもあります。
そのような地域では、入居を希望する利用者が少ないため、周囲の病院などを回って利用者の紹介をお願いするということもあるのです。
さらに、そのような過疎化が進んでいる地域にも国の政策で新たな老人ホームが建設されるケースもあり、入居者確保に奔走する老人ホーム側は反対するといった動きも見られます。
各施設の入居率をアップさせるためには、老人ホーム建設ではなくそれ以外の側面で介護業界にアプローチをする必要があるのではないでしょうか。
老人ホームの入居率は、様々な理由から低下しています。
それぞれの老人ホームの入居率をアップさせるためには、どうすべきなのかしっかり考えなければいけないタイミングに来ているのでしょう。