介護施設の「空きがあります」=「すぐ入居できます」ではない理由 ~岡山での施設探しでよくある誤解とその背景~

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介護施設を探しているご家族から、よくこんな言葉を耳にします。

「〇〇施設に空きがあると言われたので、すぐに入れると思っていました」

しかし、実際には「空室がある」ということと「今すぐ入居できる」ということはまったく別の話。
この誤解が原因で、入居までの調整が遅れたり、ご家族が混乱してしまうケースも少なくありません。

私も日々、岡山市や倉敷市などでご相談を受けていますが、実際の現場では「空き」と「入居可」が一致しないことが本当に多いのです。


特養・老人ホームの入居までの流れ

介護施設への入居は、「部屋が空いているから明日から入れる」という単純な話ではありません。
とくに特別養護老人ホーム(特養)は、入居に至るまでに以下のようなプロセスを踏みます。


① 申込書の提出

まず、入居希望者の情報をまとめた申込書を施設に提出します。
この段階で確認されるのは、要介護度・医療的なケアの有無・生活支援の必要性などです。


② 本人・家族との面談

次に、施設担当者と本人・家族との面談が行われます。
ここでは「施設での生活が現実的に可能か」「医療面・介護面の受け入れができるか」などを判断します。


③ 入居判定会議

特養の場合、複数の申込者の中から「誰を優先的に受け入れるか」を決定する会議があります。
たとえ空室があっても、**優先度の高い方(要介護度が重い方、在宅での生活が困難な方など)**が先になるため、すぐに入れるとは限りません。


④ 契約・入居準備

面談・判定を経て、契約書や重要事項説明を確認。
医療情報や生活情報の共有が済んで初めて、入居日が確定します。

つまり、「空室あり」と言われても、このプロセスを経ない限り、実際にはまだ“入居確定”ではないのです。


よくある誤解:「空室=即入居」

ご家族が施設に問い合わせた際に「空きがあります」と聞くと、
「じゃあもう入れるんだ!」と思ってしまうのは自然なことです。

しかし現場では、次のようなケースがほとんどです。

  • 空室はあるが、入居判定がまだ終わっていない

  • 医療対応や介護度が施設条件に合わず受け入れが難しい

  • 「空室あり」は退去直後で、既に他の待機者がいる

つまり、「空きがあります」とは、“物理的に部屋が空いているだけ” という意味であることが多いのです。


特養が「人気なのにすぐ入れる」と言われる理由

特養(特別養護老人ホーム)は、費用負担が比較的軽く人気が高いため、通常は待機者が多数います。
それでも「すぐ入れる」と言われるケースがあるのは、次のような“例外的事情”があるからです。

  1. 待機者の辞退
     → 入居直前に他施設へ決まったり、体調の変化で辞退する方が出る。

  2. 条件に合う人がいなかった
     → 医療依存度・介護度のバランスで受け入れ可能な人が見つからなかった。

  3. 地域や時期の差
     → 岡山県内でも、市区町村や季節によって待機状況は大きく異なる。

こうしたタイミングが重なれば「今ならすぐに入居できる」と言われることもあります。
ですが、あくまでそれは “例外的なケース” であり、必ず面談・判定・契約を経る必要があります。


ご家族が注意すべきチェックポイント

施設探しの際には、「空室あり」という言葉に安心せず、次の点を必ず確認しましょう。

✅ 面談や入居判定の予定日はいつか
✅ 契約の流れ・必要書類をいつ準備すべきか
✅ 本人の状態(介護度・医療処置など)が条件に合うか
✅ すでに待機者がいるかどうか

特に、「要介護度2以下」「医療行為あり」などの場合は、施設によって受け入れの可否が変わります。
一見「空いている」ようでも、受け入れが難しいケースもあるため注意が必要です。


専門家から見た現場の実情

私自身、老人ホーム紹介の相談員として日々ご家族とお話ししていますが、
「空きがある」と言われてすぐに希望を持たれたあと、実際には面談や判定待ちで入居が1〜2か月先になる――というケースは珍しくありません。

逆に、「まだ空きがない」と言われた施設でも、翌週に退去が発生してすぐ入居できたという例もあります。

施設探しは“タイミングと準備”がすべてです。
正しい情報を把握し、焦らず丁寧に進めることが結果的に最短の入居につながります。


まとめ

  • 「空きがあります」=「すぐ入居できます」ではない

  • 入居までには申込・面談・判定・契約というステップが必要

  • 特養や人気施設は例外的に入れる場合もあるが、必ず手続きを経る

  • 「空室あり」と言われたときこそ、面談日程や契約段階を確認することが大切

施設探しは、ご本人やご家族の生活を左右する大切なプロセスです。
焦らず、そして誤解せずに進めることが何より大切。

もし「今すぐ入りたいけどどうすればいい?」と迷われたときは、
ぜひ専門の相談員にご相談ください。

岡山市・倉敷市など岡山県全域で、私たちハピネスプラスが丁寧にサポートいたします。

この記事を書いたスタッフの紹介

名前:明石 光司(あかし こうじ)
範囲:岡山市より東エリア(岡山市全域、赤磐市、備前市、瀬戸内市、和気町、玉野市)
連絡:080-2933-2750
備考:皆様のお力になれるように全力で対応致します。

 

 

  • 投稿者
  • ハピネスプラス
  • 相談員


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